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第32期竜王戦第3局(広瀬章人竜王VS豊島将之名人) [将棋]

豊島名人の2勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

広瀬竜王の棋風は終盤型です。
「序盤は互角であればよい」といった感覚で、どちらかというと昭和を感じさせるおおらかさです。
広瀬竜王の終盤力は独特で、「正確な手を指す」、というより「相手を惑わす」ことに重点を置いているような気がします。
少し不利な局面でも、幻惑手で相手のミスを誘い、逆転してしまう勝負術に優れています。
なので研究から外れても強いです。
広瀬章人監修で、『逆転の妙手』という本が出ています。
監修に選ばれること自体が、業界でも終盤力を評価されている証拠だと思います。
さあ、本局では広瀬竜王に終盤の妙手が飛び出すでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/32/ryuou201911090101.html

ということで、将棋です。
先手豊島名人ということで、十八番の角換わりと進みます。
後手は最近定番の待機戦術となり先手がどう打開するかですが、銀矢倉に組み替えてから5筋から攻めはじめます。
こうなると腰掛銀の跡形もなく、力戦系の様相を呈してきます。
歩2枚を渡すも好所に馬を作った先手が有利のように見えましたが、広瀬竜王の粘り強い指しまわしに局面は混とんとしてきます。
豊島名人は飛車を成りこむことに成功しますが、駒損で、後手玉の上部にはぽっかりとスペースが開いています。
最終盤、後手玉は詰まず、先手玉に詰めろを掛け続ければ広瀬竜王の勝ちです。
128手目、金取りから逃げながら先手玉に詰めろをかける4五金がぴったりに見えましたが、それが罠でした。
すかさず金の裏側から桂馬で王手をかけられ、必然手の連続で要の金を取られては逆転です。
広瀬竜王に錯覚があったようです。
まだ指し続けられましたが、逆転の目はなく、157手まで先手豊島名人が二転三転するシーソーゲームを制しました。
これで豊島名人が3連勝となり、広瀬竜王はあとがなくなりました。

第4局は11月21、22日(木、金)に山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われます!
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