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【書評】渡辺房男『ゲルマン紙幣一億円』 [書評]

明治通宝にまつわる小説です。


ゲルマン紙幣一億円

ゲルマン紙幣一億円

  • 作者: 渡辺 房男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本



明治通宝とは明治初期に発行された紙幣で、それまで日本国内には各藩で発行された藩札、明治維新直後に粗製乱発された太政官札など一掃して統一通貨を作ることを目的としていました。
ドイツで印刷されたことから通称ゲルマン紙幣と呼ばれました。
主人公は明治初期の混乱から藩を放逐され、途中でであった怪しげな偽金を見分ける名人との同居することになります。
藩札を安く買い占めて稼いだところで主人公は政府に捕まり死にますが、その意志をついだ同居女性がゲルマン紙幣の弱点を突いた贋金を作成して鬱憤を晴らします。
ストーリーは小説ですが、藩札の買占めも、奇想天外の偽金作りも実話に基づいています。
こうした実話をどう小説に組み込むのかがうまいと思いました。

明治初期の通貨をしりたいひとのために!
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