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第44期棋王戦第2局(渡辺明棋王VS広瀬章人竜王) [将棋]

渡辺棋王の先勝で迎えた第2局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/kiou/

将棋は先手有利のゲームです。
長い棋界の歴史でも、後手が先手を勝率で上回ったのは1年しかありません。
トップ棋士同士が対戦するタイトル戦ではその傾向が顕著で、お互いに先手番を取り合って最終局・・・・・・というシーンも多く見られます。
素直な発言で知られる渡辺棋王は「後手では5割勝てば十分。先手で7~8割勝てばいい」と発言しています。
広瀬竜王はトップ棋士としては珍しく先後の勝率の差が少ない棋士です。
「序盤は互角で十分と思っている」と発言したこともあるくらい終盤戦術がたくみで、少しぐらい苦しい将棋をなんどもひっくり返してきたことを表していると思います。
棋王戦第1局で、広瀬竜王は先手番を落としましたが、後手番こそ新骨頂です。
さあ、広瀬竜王の終盤術を見ることができるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/44/kiou201902100101.html

ということで将棋です。
戦形は角換わりとなりました。後手はバランス、先手は固さを主張します。
お互いに微妙な間合いを計る最新形となり、先手・後手とも手待ちをして、一気に激しい戦いに入ります。
先に駒得したのは後手です。
2筋は破られますが、右側に逃げ込み、飛車も守りに利いています。
評価値は微妙に後手側ですが、誤差の範囲で互角です。
先手からの攻めがひと段落してから後手も反撃に入ります。攻守交替の激しさが、角換わりです。
しかし、渡辺棋王は受けながら埋めて、逆に守りを固めます。
このあたりで評価値が一気に先手に傾きますが、後手も先手玉に迫っているので、一手間違えたら逆転します。
この辺りが広瀬竜王の真骨頂ですが、絶好調の渡辺棋王は惑わされません。
最後は後手玉を詰め上げて、119手まで最強挑戦者相手に2連勝と、防衛まであと1勝としました。
持ち時間も30分近く余す会心譜です。

第3局は3月10日(日)に、新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます!
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