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第31期竜王戦第3局(羽生善治竜王VS広瀬章人八段) [将棋]

羽生善治竜王の2勝で迎えた第3局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

ここ最近のタイトル戦では、先手有利の傾向がはっきりしています。
その原因は、後手が選べる作戦が少なくなってきたからではないかと思います。
まず横歩取りが、先手有利が定説化しつつあり、後手としては選びにくくなっています。
将棋の純文学と言われた矢倉は、後手急戦が優秀で、先手が積極的に選ぶ理由がありません。
残りは相掛かりか角換わりですが、先手としては先攻しやすい角換わりに誘導することになります。
将棋は攻めるより守るのが難しいゲームです。
結果として居飛車党同士の将棋は角換わりばかりとなり、先攻しやすい先手の勝率が高まっているのかなと思います。
本局の先手は連勝中の羽生竜王ですが、広瀬八段としては先手番を1つブレイクされただけなので、ここで勝てば次の先手番をキープすれば並べます。
そういう意味で勝負の行方を大きく左右する第3局ですが、羽生竜王は三番連続となる角換わりを選択するのでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/31/ryuou201811010101.html

ということで、将棋です。
本局も角換りとなりました。
羽生竜王は流行中の4八金を採用せず、5二金として、そこから4七に上がります。
そこから4五歩、2五桂馬が羽生竜王の工夫です。
後手広瀬八段は跳ねた桂馬を歩で取ります。後手は駒得ですが歩切れ、かつ、先手の歩が急所に伸びていい勝負です。
後手は守りの桂馬を跳ねて一直線の変化に持ち込みますが、二日目午前中の数手で形勢が羽生竜王に傾いたようです。
細い攻めなので、羽生竜王が勝つには綱渡りの手順が求められます。
駒が少ないながらなんとか攻め続けますが、106手目7歩に堂々と同歩と取ったのが痛恨の緩手となりました。
その隙に5八角から6九銀と絡まれ、一気に逆転されてしまいました。
まさに一瞬の出来事でした。
羽生竜王も時間いっぱい考えて逆転の手を探しますが、広瀬八段の盤石の終盤の前に、すでに万策尽きていました。
130手まで後手番の広瀬八段が勝ち、先手番をブレイクすることに成功します。
これは大きな1勝です。
第4局は、11月24日、25日に福知山城で開催されます!
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