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第40期霧島酒造杯女流王将戦第2局(里見香奈女流王将VS加藤桃子奨励会初段) [将棋]

里見香女流王将の先勝で迎えた第2局です。

【中継サイト】
http://www.igoshogi.net/shogi/Loushou_info/

女流王将戦はTV棋戦なので持ち時間25分の早指しでしたが、今期からタイトル戦に限って3時間となりました。
予選は早指しなのに決勝だけ長い棋戦といえば、過去には富士通杯達人戦がありました。
出場資格は40歳以上だったのですが、羽生森内がバリバリ第一線のまま40代に突入し、意味が薄れてしまったのか消滅してしまいました。
女流王将戦は早指しと長時間の双方に対応する能力が求められるようになりましたが、さあ両者の対応力はどうでしょうか?

【棋譜】
http://www.igoshogi.net/shogi/Loushou/kifuplay.html?kifu=L40k0502

ということで、将棋です。
先手里見香女流王将は三間飛車を採用し、積極的に仕掛けていきます。
飛車を見捨てて大丈夫か、とも思ったのですが、評価値的には互角です。
大駒の数は減っても、豊富な小駒で手を繋いでいきます。
終盤で千日手になりかかります。
解消されてからは一気の寄せ合いです。
加藤桃奨励会初段も里見玉を裸にして追い詰めますが、女流王将はしっかりと見切っていました。
里見香女流王将が反撃に出ると、もう抵抗する力はありませんでした。
149手まで先手が勝ち、これで2連勝で里見香女流王将が防衛しました。
里見香女流王将おめでとうございます!

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第8期加古川清流戦第2局(大橋貴洸四段VS梶浦宏孝四段) [囲碁]

大橋四段の先勝で迎えた第2局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/seiryu/

梶浦宏孝四段は鈴木大介九段門下です。
師匠は振り飛車党ですが、本人は居飛車党で、横歩取りを得意としています。
将棋界は師匠が弟子を手取り足と指導することは少ないので、師匠と得意戦法が違うというのは普通のことです。
19歳でプロ入りしていますが、普通この年齢で昇段すれば勝ちまくるものですが、梶浦四段は年々成績が低下し、昨年度の勝率は5割をきっています。
ところが今年度は好調で、勝率も6割を超え、加古川清流戦の決勝まで勝ちあがってきました。
まだまだ22歳。伸び代は十分にあります。
さあ、梶浦四段は優勝してジャンプアップすることができるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/8/seiryu201810200101.html

戦形はプロ間で溢れまくっている角換わりとなりました。
お互いに手待ちをして戦機を伺いますが、先に仕掛けたのは後手でした。
先手はカウンターをかけるべき銀を斜めに進出し、後手の飛車先はガラ開きです。
成らせても先手の攻めが早いとの主張です。
一気に速度争いになるかと思いきや、お互いに渋く守り、押したり引いたりのねじりあいになります。
大橋四段、梶浦四段とも力のこもった指し手が続きます。
そうした中でも先手大橋四段は優勢を維持し、着実にゴールを目指します。
最終盤には先手も守りの駒を剥がされ、裸になります。
それでも、最後は梶浦四段の玉を長手数の即詰みに討ち取り、141手まで大橋四段の勝ちとなりました。

これで大橋四段は2連勝で加古川清流戦優勝を果たしました。
大橋四段おめでとうございます!
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第8期加古川清流戦第1局(大橋貴洸四段VS梶浦宏孝四段) [将棋]

四段以下しか出場できない若手限定棋戦です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/seiryu/

大橋四段は24歳でプロ入りした苦労人です。
その苦労した分を取り返すというわけではありませんが、昇段後は勝ちまくり、昨年度は8割に迫る勝率をたたき出しています。
ところが、同期昇段が藤井聡太四段という超弩級の大型新人がいたために、目立たないという不運にぶつかってしまいました。
それでも、第3回YAMADAチャレンジ杯優勝、NHK杯本戦出場と実績を重ね、さらにルックスも独自のスーツセンスから徐々に露出が増えているように感じます。
加古川清流戦は若手限定棋戦ですが、優勝すれば若手グループからひとつ抜け出すことになります。
さあ、大橋四段二つ目の棋戦優勝はなるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/seiryu/kifu/8/seiryu201810190101.html

ということで将棋です。
将棋は相掛かりから、先手梶浦四段が捻り飛車に構えます。
そこから飛車が向き合う形でじりじりとした駒組みが続きますが、結果として先手が開戦
のタイミングを逃したようです。
本格的な戦いが始まってから狙い筋の9二歩を敢行しますが、ワインレッドのジャケットに身を包んだ大橋四段はたれ歩を無視して駒を前に出し、一気に優勢になります。
梶浦四段も嫌味を付けようとしますが、大橋四段ががっちりと守って付け入る隙を与えません。
最後は男らしく後手が先手玉を詰ましにいき、見事に即詰みに討ち取りました。
大橋四段の快勝譜だと思います。
第2局は、翌日(10月20日)に同所(鶴林寺)で行われます!
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【書評】司馬理英子『のび太・ジャイアン症候群2~ADHDこれで子供が変わる』 [書評]

ADHDに関する本を多数執筆している司馬理英子による本です。


のび太・ジャイアン症候群〈2〉―ADHD これで子どもが変わる

のび太・ジャイアン症候群〈2〉―ADHD これで子どもが変わる

  • 作者: 司馬 理英子
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 1999/02/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ADHDとは注意欠陥・多動性障害のことです。
落ち着くが無く、ひとつのことをやり遂げるのが苦手です。障害というほどではありませんが、支援が必要な子供たち、といった感じでしょうか。
そのような子供をどう育て、支援していけば良いのかHOW TO本になります。
内容はというと、ADHDに限らず、一般的に良いとされている子育て方法の列記になっており、ADHDに限定する必要はないと感じます。
むしろ子育てに悩んでいるお母さんがたが読んでも良いかもしれません。

ADHDに悩んでいるひと向けに!
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第49期新人王戦第2局(藤井聡太七段VS出口若武三段) [将棋]

藤井聡太七段の先勝で迎えた第2局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/shinjin/

出口三段は奨励会三段リーグに所属しています。
ここ3回の成績は
10勝8敗、9勝9敗、11勝7敗
となっているので、いつ四段になってもおかしくない星です。
ちなみに第59回奨励会で藤井聡太三段と当たり、敗れています。
成績からすると平均以上の実力はあると思うので、あとは組み合わせと、多少の運になると思います。
三段リーグ上位の常連でも、巡り合わせが悪く、四段になれないまま奨励会を去る強豪もいます。
新人王戦で決勝まで進むのは大きな勲章です。
ぜひとも三段リーグを抜けて四段になって欲しいと思います。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/shinjin/kifu/49/shinjin201810170101.html

先手は藤井聡七段。
持ち時間3時間の棋戦ですが、午前中に58手まで進みます。
ここまで出口三段の消費時間、わずか17分です。中盤の未知の領域に入ってから手数も進んでいるのに、こんなに早いとは、若手らしい深い研究を感じさせます。
しかし、午前中最後の手が問題だったようです。
昼食休憩明けから藤井聡七段の猛攻が始まり、飛車を叩ききって攻め続けます。
寄せに入ってからは確実でした。
有利な局面から一度も出口三段に付け入る隙を見せずに押し切る強さはまさに磐石です。
これで藤井聡七段は連勝で新人王を獲得しました。

おめでとうございます!

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第66期王座戦第4局(中村太地王座VS斎藤慎太郎七段) [将棋]

中村太王座の1勝2敗で迎えた第4局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ouza/

中村太王座はタイトル戦と平行して王将戦リーグを戦っています。
王将戦挑戦者決定リーグの企画として、好きな武将の甲冑を身にまとった姿とインタビューが掲載されています。
中村太王座はまだ30歳です。
棋士としてこれから脂がのる時期で有り、自分の将棋に没頭しても良いのですが、インタビューの端々から感じるのは“運営側の視点“です。
また、実際に将棋会館建て替えの理事に就任しています。
中村太王座の師匠は長年将棋連盟会長を務めた米長邦雄です。
こうした視点は、師匠の影響なのかもしれません。
中村太王座はプロ棋士と平行して早稲田大学政治経済学部に進学し、同大学の政治経済学術院奨学金(政経スカラシップ)を授与されるほどの学力の持ち主です。
将来の幹部候補生として、将棋と平行して運営側でも力を発揮して欲しいと思います。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/66/ouza201810160101.html

ということで将棋です。
戦形は居飛車党で大流行中の角換わりとなりますが、先手中村王座は金を5二に上がるクラシカルな形を取ります。
そこから金を6八と寄せていき、穴熊を見せるという、まさに一昔前の将棋を採用します。
おそらく準備してきたのでしょう。
穴熊に組まれてはつまらないとばかりに後手が攻め、先手が駒損ながらと金を作る半ば定跡となっている手順に進みます。
ここからが勝負です。
中村王座は銀を捨てて王手飛車取りという大技をかけますが、7六歩が好手で後手ペース。
ところが、ここから形勢が揺れ動きます。
タイトル戦の重圧からか、お互いに負けない手、我慢する手が増え、根性の勝負となり、最後に抜け出したのは中村太王座でした。
137手までの熱戦だったと思います。
第5局は10月30日(火)、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われます!

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【公募情報】子育てあるある川柳2018 [公募情報]

前回は1000通強の応募です。

【主催者HP】
https://www.koubo.co.jp/system/contest/nikko/

川柳公募は何千と集まることが多いですが、1000通強ですから少なめです。
前回受賞作を見ると、いがいと普通の感じが多いです。
奇を衒わずに、あるのまま、素直に書くのがよいのかもしれません。
応募締切は平成30年11月29日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :子育て・家庭・家族に関するもの
最優秀賞:図書カード
応募締切:平成30年11月29日
応募方法:郵送、FAX、持参、メール
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【書評】松本清張『告訴せず』 [書評]

持ち逃げした金で小豆相場に手を出し、大もうけした男の話です。


告訴せず (カッパ・ノベルス)

告訴せず (カッパ・ノベルス)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1981/08
  • メディア: 新書



主人公は小心者で平凡な男です。
義弟が政治家で、闇資金を持ち逃げして小豆相場に手を出します。
執筆当時(昭和49年)は農業技術が未発達で、小豆相場は乱高下を繰り返していました。その小豆相場で大成功して大金を得て、モーテルを開業したあたりから義弟の姿が見え隠れするようになります。
身の危険を感じた主人公は全てを捨てて逃亡を図ろうとしますが、そのころには大きな網に絡め取られていました。
最後は全てを失います。
だいたいこのようなストーリーですが、小豆相場に一喜一憂するあたりが迫真で、非常におもしろいです。
そうした相場での攻防を盛り上げるために敗残者を登場させるのですが、これが伏線となっており、ラストに繋がります。
最後に細かい伏線を全て回収することが職人技です。
ミステリですが、同時にその時代を感じる作品だと思います。

高度成長期の沸騰を感じたいひと向けに!

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第40期霧島酒造杯女流王将戦第1局(里見香奈女流王将VS加藤桃子奨励会初段) [将棋]

加藤奨励会初段が無冠返上に挑みます。

【中継サイト】
http://www.igoshogi.net/shogi/Loushou_info/

女流王将戦はテレビ棋戦ですが、以前は放映前に結果が公開されてしまうという、かなり風変わりというか、視聴率は大丈夫か、と思わせるような棋戦でした。
それがようやく放映後に結果が分かるように改善されました。
最近、アメバトーナメントで、運営側のミスで放映前に結果が分かってしまうという事件がありました。
いろいろな棋戦があってよいと思うのですが、やはり放映前に分かってしまったら興味半減ですからね。
これからも、この方式が続けばよいと思います。

【棋譜】
http://www.igoshogi.net/shogi/Loushou/kifuplay.html?kifu=L40k0501

戦形は後手里見香女流王将が初手3二飛車戦法を採用します。
里見女流王将はバランス型の駒組みで、飛車交換に強い形。対する加藤桃奨励会初段は船囲いです。
後手里見女流王将が先手の隙を突いて1歩得して優位に立ちます。
そこから再び駒組みが続きましたが、戦いが始まれば徐々に女流王将の優位が際立ってきます。
加藤桃奨励会初段は最後まで諦めずに粘りの手段を探しますが、最後まで里見香女流王将は間違えずに96手まで横綱相撲で圧勝しました。

第2局は10月19日(金)に日本将棋会館で対局となります!
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第31期竜王戦第1局(羽生善治竜王VS広瀬章人八段) [将棋]

羽生竜王が最後の1冠を掛けて戦います。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

どんな大棋士でも、いつかは無冠に転落する日がきます。
木村義雄十四世名人が名人を失陥し、引退したのが47歳のときです。
大山康晴十五世名人が無冠になったのは50歳目前、最後のタイトルが59歳。
中原誠十六世名人が無冠になったのは40歳、最後のタイトルが46歳です。
羽生竜王は47歳です。木村義雄十四世名人が名人を失陥し引退した年齢と同じであり、中原十六世名人が最後のタイトルを獲得した年齢を超えています。
同世代のライバルだった森内俊之十八世名人は、既にA級陥落を機にフリークラスへと転出しました。
新手がその日のうちに飛び交い、研究される現代将棋において、47歳まで連続してタイトルの保持を続けるのは奇跡に近いです。
その羽生善治が47歳にてまだトップでいられるのか、大きな勝負になりそうです。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/31/ryuou201810110101.html

第1局は角換わりとなりました。
先手は羽生竜王で、自ら玉頭となる六筋の歩をきりに行き、戦闘が始まります。
主戦場は左辺となり、羽生竜王が攻めきれるかどうかの瀬戸際になります。
広瀬八段は形勢に自身を持っていたのか、千日手の手順を拒否して決めに行きます。
実に男らしいです。
広瀬八段も反撃しますが、羽生竜王は自玉に金銀を貼り付けて鉄壁の防御を築き上げます。
ここまで守られると、二枚龍だけでは羽生陣地を敗れません。
はっきりと優勢になった羽生竜王は、冷静に後手の入玉の希望を経ちこれでタイトル100期に向けた大きな1勝をあげました。
第2局は10月23、24日(火・水)に福岡県福津市「宮地嶽神社」で行われます!

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