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【書評】東野圭吾『手紙』 [書評]

ミリオンセラー突破の著者代表作のひとつです。


手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/10/01
  • メディア: 文庫



主人公の兄が弟の学資欲しさにはずみで強盗殺人を犯してしまいます。
そのせいで主人公は「強盗殺人犯の弟」というレッテルを貼られ、世間から忌み嫌われる存在になります。大切なものができたと思ったら、兄ことが知られ、宝物を失うという人生を繰り返します。
弟が苦しみ続ける中、兄は弟にのんきな手紙を出し続けます。
主人公にも守るべき家族ができます。しかし、兄の存在が、家族を苦しめます。
そうしたなか、主人公はある決断を下します。

だいたいこのようなストーリーですが、とにかく救いのない話です。主人公はまじめな好青年ですが、何度も不幸に落とされます。
ラストも、とてもハッピーエンドとはいえません。
ただ、これが世の中の現実であるというのも、ひとつの一面でもあると感じます。

ミステリ要素はありません。
ただ、ひたすら冷たい現実を書く小説だと感じました。

エンタメとは違った東野圭吾を読みたいひとのために!

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