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第89期棋聖戦第2局(羽生善治棋聖VS豊島将之八段) [将棋]

豊島八段の先勝で迎えた第2局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/kisei/

棋聖とは江戸末期の将棋指し、天野宗歩の異名が由来となっています。
当時の将棋三家の出身ではなかったため名人には推挙されませんでしたが、実力十三段と呼ばれ、その棋力は飛びぬけていました。
当時の将棋指しの身分は低く、将棋三家も将棋で収入を得ていたわけではなく、江戸幕府から支給されるわずかな俸禄と将軍家から下賜された不動産の賃料で糊口をしのいでいました。
天野宗歩は賭け将棋で稼いでいたそうで、強すぎると相手がいなくなるので、適度に手を抜いて対戦していたそうです。
天野宗歩が現在にいたらどのような将棋を指していたのか、想像をたくましくするのも将棋ファンの楽しみのひとつでもあります。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/89/kisei201806160101.html

ということで、将棋です。
先手は羽生棋聖。後手の豊島八段が角換わりを拒否して雁木となりました。
先手右四間から銀交換までは先例のある形で、後手豊島八段が金を戻して形を整えてからが未知の戦いとなります。
本格的な戦いとなったのは羽生棋聖が敵陣深く角を打ち込んでからです。
角と金の交換となりますが、自然に対応されて徐々に羽生棋聖が苦しくなります。
仕掛けが無理だったのかもしれませんが、この仕掛けしかないのなら、序盤に課題があったのかもしれません。
それでも豊島八段にやや疑問手があり形勢は互角。
ところが48手目の飛車金両取りとなる4八銀が大悪手でした。評価値でいうと、-1700です。
すかさず5二角と張り付かれ、金を埋めて防衛するも、4三桂の放り込みが決めてで、一気に後手玉を受け無しに追い込みました。
豊島八段はこの4三桂馬を見落としていたそうです。

これで羽生棋聖は苦しみながらも対戦成績を対に戻しました。
第3局は6月30日(土)静岡県沼津市「沼津倶楽部」で行われます!
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