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第3期叡王戦第4局(金井恒太六段VS高見泰地六段) [将棋]

高見六段の3連勝で迎えた第4局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/eiou/

富岡製糸工場は日本近代化のシンボルとして、国宝かつ世界遺産に認定されています。
明治初期の日本における主要輸出産業は絹糸であり、富岡製糸工場はその中心でした。
自分が子供のころ、工女たちの劣悪な労働環境が……といった教育をされましたが、実際に働いていた工女たちの談話を読むと「農家と比べれば天国のよう」だったようで、収入面も良かったころから大人気だったそうです。
要するに、当時としては、農家として働くよりずっと楽だったそうです。
研究が進んでいなかっただけかもしれませんが、時代背景を無視した教育をされてきたなあと、いまになって思います。
自分の記憶の限りだと、富岡製糸工場でタイトル戦が行われたことはないと思います。
タイトル戦が開催される場所は定番化が進んでおり、こうした観光名所で開催することは意義が深いと思います。
いままで高見六段が3連勝と走っていますが、金井六段がここで一矢報いることができるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/3/eiou201805260101.html

ということで、将棋です。
最近のプロ間では珍しい矢倉に進みますが、先手は7八の金を6三に上げるバランス型、後手はじっくりの銀矢倉風になります。
金井六段は長考型です。序盤から時間をじっくり使い、中盤のねじり合いを超えたあたりでやや優勢になります。
課題は終盤です。時間切迫の中、逃げ切れるかどうかです。
評価値を見ると、一番後手優勢になったのは137手目前後です。
正確に指せば後手が勝つのでしょうが、それは一本の細い糸のようで、非常に薄い数字です。
実際にそこからの数手で先手必勝となり、金井六段は投了しました。
これで四連勝で高見六段が初タイトルを獲得し、七段に昇段しました。

高見叡王おめでとうございます!

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