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第76期名人戦第1局(佐藤天彦名人VS羽生善治竜王) [将棋]

羽生竜王が2年ぶりに名人戦の舞台に帰ってきました。

【中継サイト】
http://www.meijinsen.jp/

賞金額でいえば竜王戦が一番ですが、伝統と格式という意味では、棋界の頂点に名人戦が燦然と輝いています。
「竜王」と聞いても将棋ファン以外にはピンときませんが、「名人」という称号には誰にでもその地位を理解できる普遍性があります。
また、棋士の生活にも名人戦は直結しており、名人戦挑戦者を争う順位戦のランクによって、対局料の基本額が異なります。また、順位戦の成績が悪くなれば、強制的に引退となります。
名人戦は、タイトル挑戦以外の場所でも、様々なドラマを生み出してきました。
佐藤天彦名人はファッション雑誌を初めとする様々なメディアに取り上げられていますが、「名人」以外のタイトルだったら、これだけ取材が殺到することは無かった可能性が高いです。
それだけ「名人」の称号には世間一般に特別な意味合いがあります。
将棋ファン以外にもアピールするには、やはり「名人」が一番だと思います。
名人戦の初戦の舞台はホテル椿山荘が定番です。
さあ、今年の名人戦はどのようなドラマが待っているでしょうか!

【棋譜】
https://www.youtube.com/watch?v=yLTiGC7iyfw

先手羽生竜王で始まった将棋ですが、横歩取りとなりました。
後手佐藤名人の躍進の原動力といえば後手番横歩取りです。
名人戦の大舞台に、しかも第1局に、しかも先手番で相手の得意戦法に突っ込むあたりが、まさに羽生善治です。
しかもいきなり飛車を成り込む乱戦を挑み、一日目から波乱急を告げます。
一手が重い勝負となります。
勝負の分かれ道は、47手目からの数手です。
羽生竜王が玉の早逃げをしたところ、4九馬切りからの決め手が見えます。
これに佐藤名人が1時間37分の考慮で切り込みますが、羽生竜王がぎりぎりで交わし、ここで逆転模様となります。
実際にはまだまだ難しいように見えるのですが、終盤に羽生竜王に5一金のただ捨て、さらに9八玉の早逃げと好手の出る将棋となります。
これで羽生竜王は名人復位に向けた幸先の良い1勝をあげるとともに、通算1400勝を達成しました。
第2局は4月19、20日に石川県小松市「北陸あわづ温泉 辻のや花乃庄」で行われます!

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