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第30期竜王戦第5局(渡辺明竜王Vs羽生善治棋聖) [将棋]

羽生棋聖の永世7冠まであと1勝です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

渡辺竜王は昔からヒール的な人気がありました。
圧倒的な棋力と歯に衣せぬ発言、自由に物を言う雰囲気ができたのは、渡辺竜王の功績だと思っています。
渡辺竜王がいなければ増田康宏四段の「矢倉は終わった」「詰め将棋は意味無い」との発言は出なかったと思います。
今回の竜王戦では、羽生棋聖の永世七冠以外にも三浦九段の件があり、最初からヒールとしての役割に立たされています。
自身も調子が上がらず、勝率も5割を越えてきません。
渡辺竜王は王者の将棋というか、一旦受けてから鋭く反撃するのが特徴的でしたが、読みの精度が落ちたのか、受け切れない場面が増えました。
時代に乗れないとブログでぼやくこともあります。
それでも盤上に向う姿に、自分は好感を持っています。
竜王といえば、渡辺明ですから。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/30/ryuou201712040101.html

ということで、将棋です。
本局は5日前に行われた順位戦と同じく、角換りとなりました。
後手の渡辺竜王は流行型の8一飛車、6二金としますが、羽生棋聖はクラシカルな5二金を選びます。
お互いに7九玉と引いたところで、羽生棋聖が突如として4五銀~2五桂と仕掛けます。
おそらくは竜王戦のために暖めてきた研究手でしょう。
そこから羽生棋聖が冴え渡ります。
絶妙のタイミングでの1五歩で渡辺竜王は困り、馬を作るも飛車と交換され、反撃の8六歩も与えた歩で端攻めを敢行されてしまいます。
羽生棋聖は終盤も正確で、玉の早逃げに4四歩と追撃して、渡辺竜王は完全にお手上げ状態になります。
あとは形作りのような手順が続き、87手まで、ついに羽生棋聖が竜王奪取とともに永世七冠を達成しました。
まるで漫画の主人公のような戦跡です。空前絶後の大記録で、号外がでるのもうなずけます。

羽生竜王おめでとうございます!

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