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第30期竜王戦第4局(渡辺明竜王Vs羽生善治棋聖) [将棋]

渡辺竜王の1勝2敗で迎えた第4局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

将棋界とニコニコ動画は共存共栄の良い関係を築いてきましたが、ここへきてニコニコ動画の優勝会員数が1割ほど減少したとのニュースが入ってきました。
年代別では30~50代会員の割合が増えて、高齢化が進んでいるとの分析です。
将棋界と比べて囲碁界は、アクティブ人口は少ないものの、収益性では将棋界を上回っています。
その理由は、囲碁ファンには高所得者層が多いからと言われています。つまり、優良顧客を多く抱えているということです。
高齢化といっても30~50代です。資金的に余裕のある世代を相手に収益を上げながら、若年層にむけてファンの拡大を図る。
ファンとなった若年層が中高年層になったときに、将棋界に還元してもらえる。
そのようなサイクルができれば良いのかな、と個人的には想っています。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/30/ryuou201711230101.html

ということで、将棋です。
先手の渡辺竜王がクラシカルな矢倉の手出しを選ぶと、羽生棋聖も呼応するかのように矢倉を選択します。
矢倉は雁木に駆逐されつつあるので、いざ矢倉をみると新鮮です。
羽生棋聖も、先手渡辺竜王があえて矢倉を選択したのをみて警戒したのかもしれません。
矢倉と言っても、昔と違い、がっちり囲いあうことはありません。
お互いに歩を交換する中で、渡辺竜王も自陣に手を入れるのも難しく、5五歩と攻めかかりますが、その瞬間に7六歩が分かっていても防ぎにくい好手でした。
ここからの羽生棋聖は切れまくっていました。
6四角の切替しに7二飛車が好手なら、3五銀の角取りを放置した6五桂も好手でした。
そして、まだまだ寄せるのが難しいと思われていた渡辺玉を逆から8八金を追い、桂馬を捕って、6五歩~3八桂馬でぴったり寄せてしまいました。
大駒全部手放して、自分の手元には最後の詰めに必要な金しか残っていません。
最終番の6八飛車も見事です。まるで芸術作品のような棋譜だと思います。

これで七番勝負は羽生棋聖から見て3勝1敗となり、竜王復位にあと1勝となりました。逆に渡辺竜王はカド番に追い込まれてしまいました。
第5局は12月4・5日に鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われます!
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