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第65期王座戦第4局(羽生善治王座VS中村太地六段) [将棋]

羽生王座の1勝2敗で迎えた第4局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ouza/

少し前に第88期棋聖戦の就位式がありました。
そこで、羽生王座は竜王位を獲得し、来期の棋聖戦を防衛して100期を目指す、という主旨の発言をしたそうです。
もちろん棋聖戦の主催者へのリップサービスかと思いますが「王座戦は?」と突っ込みを入れたファンも多いと思います。
王座戦は第1局の大逆転負けから連敗していきなり追い込まれましたが、前局でやっとひとつ返しました。
やや不利な中盤からギリギリの競り合いを制するという、最近はなかなか見られない将棋だったと思います。
不調も3年続けば実力といいます。
前期に続いて5割台前半の勝率で苦しんでいる羽生王座ですが、次の覇者がでてくるまで棋界を引っ張り続けて欲しいと願います。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/65/ouza201710110101.html

ということで、将棋です。
戦形は先手羽生王座の腰掛銀となり、後手中村太六段は早繰り銀で対抗します。
積極的に攻めた先手ですが、振り返ると序盤にやや問題があったようです。
44手目の後手4五銀が羽生王座の盲点になっており、桂銀交換の駒損ですが、続いて飛車も切り飛ばし、後手の攻めが繋がる形になります。
早々に自玉に詰めろがかかりますが、そこから羽生王座は反撃します。
一時的には優劣不明となりますが、時間を余していた中村太六段は十分な読みを入れて、羽生王座の攻めを余していきます。
最後は74手目の5九金が決めてでした。金を捨てて飛車を移動させることで玉を安全にします。
羽生王座は最後まで詰めろをかけますが、これは一種の儀式です。
80手まで後手中村太六段が勝利し、これで初タイトルを獲得しました。
羽生善治は棋聖のみの1冠に後退です。

中村太王座おめでとうございます!

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最近の日常【平成29年10月上旬】 [日常]

〔民進党が実質的に解党〕
突然の話で驚いた。
2大政党を目指して結党し、一時期は政権を担い、現在も野党第1党であるにもかかわらず消えてなくなる。
名目上は残る(参議院も地方議員もいるし)が、衆議院選は民進党として公認候補は出さない。党首も無所属で出馬し、所属議員は誕生したばかりの希望の党からの公認を目指すという。
政治の世界は一瞬先は闇とはいいますが、これはさすがに。
民進党の党首が政権打倒を目指すため名を捨てて実を取ると強調していましたが、野党にとって政権打倒もひとつの目標であるけど、そればかり連呼されると政党としての意義はなんだろうとか疑問に思ったり。
もっともマスコミの切り取りなのかもしれませんが。

〔保田圭の話〕
ラジオで久しぶりに保田圭の声を聴いた。
これは10年以上の前の話だが、仕事上のある企画で、保田圭にインタビューを申し込もうとしたことがあった。
当時の保田圭はすでにモーニング娘から卒業しており、在籍当時から人気上位のメンバーとはいいがたかったので、簡単にアポが取れるだろうと思ったら「スケジュールがいっぱいです」とけんもほろろに断られた。
もっとも自分が事務所に連絡したわけではないので細かいニュアンスは分かりませんが、元モーニング娘を甘く見たらだめでした。
とまあ、そんな思い出です。ちなみに保田圭の代役が大物歌舞伎役者で、いやー格的にはこっちがどうみても上だろうと、ちょっと驚きました。
ちなにみ「けんもほろろ」という表現は、キジの鳴き声が由来だそうです。
まあ、どうでもいい話ですが。
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【書評】小倉清一郎『小倉ノート』 [書評]

アマ球界のノムさんと呼ばれた元横浜高校野球部長の本です。


小倉ノート 甲子園の名参謀が明かす「トップチーム」の創り方

小倉ノート 甲子園の名参謀が明かす「トップチーム」の創り方

  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2015/06/25
  • メディア: Kindle版



横浜高校には松坂大輔を初めとして、多数のプロ野球選手を輩出しています。
小倉清一郎は監督ではありませんが、選手の指導から対戦相手のデータ分析まだ幅広く横浜高校野球部を支えてきました。
本書には思い出話もありますが、主は相手チームの分析方法であり、どこを観察するのかを、かなり細かく書いています。
分析ノートも何枚か公開されています。
ひとつ上のレベルを目指すひとたちにオススメの本かもしれません。

野球好きのひとたちのために!
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第76期順位戦展望(B級2組、C級1組、C級2組・前半戦) [将棋]

概ね前半が終了したところで、展望等を

【名人戦棋譜速報】
http://www.meijinsen.jp/


〔B級2組〕
http://www.meijinsen.jp/game_list/meijinsen/B2.html
トップを走るのはB級1組から降級したばかりの畠山鎮七段です。
順位もよく、1期で復帰も十分に可能性があります。
弟子の斎藤慎太郎七段がB級1組にいるので、順位戦での師弟対決が見られるかもしれません。
中村太地六段も4連勝です。タイトル戦での活躍からしても、そろそろB級1組を卒業して欲しいところ。
ベテランの青野照市九段、森下卓九段は苦しい星勘定です。
降級点もあるので、ここから踏ん張れるかどうか。

〔C級1組〕
http://www.meijinsen.jp/game_list/meijinsen/C1.html
順位戦でなかなか昇級できない永瀬拓矢六段ですが、今期も初戦負けてダメかと思わせて、そこから3連勝と星を伸ばしてきました。
順位も良く、残り対戦相手との力関係を見ても、全勝勢が転べば昇級の可能性大です。
千田翔太六段も4連勝と順調に白星を積み重ねています。
佐々木勇気五段は1敗ですが、全勝の宮田敦史六段との直接対決が待っています。
ここがひとつの勝負ところかもしれません。

〔C級2組〕
http://www.meijinsen.jp/game_list/meijinsen/C2.html
注目の中学生棋士、藤井聡太四段が4連勝です。順位は4番手ですが、全勝すれば昇級するという特別規定があります。
後半に若手有望株との対戦が続くので、ここを乗り切れるかどうかだと思います。
注目されているので、みんな秘策を練ってくると思われるので。
大ベテランの桐山清澄九段が3勝1敗と奮闘を見せています。現役最年長ですからもちろん全員年下ですが、今期順位2位、22歳の梶浦宏孝四段を撃破した星が光ります。
1年でも現役を長く続けるために、ひとつでも順位を上げて欲しいです!
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第76期順位戦展望(A級・B1組前半戦) [将棋]

概ね前半が終了したところで、展望等を

【名人戦棋譜速報】
http://www.meijinsen.jp/

〔A級〕
http://www.meijinsen.jp/game_list/meijinsen/A1.html
A級に初参戦の豊島将之八段が4連勝と快調に星を伸ばします。
現在27歳と棋士としてピークにあります。
佐藤天彦名人と同じく、初タイトルが名人という可能性も無きにしもあらずです。
今期は降級者が3名になります。
行方尚之八段が羽生二善治冠相手に逆転勝ちを納めてひといきついたことで、こちらも混沌としてきました。
豊島将之八段が連敗すると、全員団子状態での終盤戦突入もありえます。
次節の深浦康市九段、豊島将之八段戦が注目です。

〔B級1組〕
http://www.meijinsen.jp/game_list/meijinsen/B1.html
今期は人数調整のため、昇級2名、降級1名です。
注目されていた菅井竜也王位、斎藤慎太郎七段は序盤で星を落として一歩後退。
現時点での全勝者は糸谷哲郎八段ただひとりです。
会長職を辞任した谷川浩司九段が3勝1敗と好スタートを切りました。
やはり会長職は重責なのだなと思わせます。
反対に絶不調なのが木村一基九段です。4連敗とは予想もしませんでした。
これからの奮起に期待したいと思います!

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第48期新人王戦第1局(増田康宏四段VS佐々木大地四段) [将棋]

佐々木大四段は、フリークラス出身初の棋戦優勝を目指します。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/shinjin/

佐々木大四段は、三段リーグで次点2回の成績を収め、2015年に四段となりました。
次点2回でのプロ入りは、伊奈祐介・伊藤真吾・吉田正和・渡辺大夢に続く5人目になります。
5人ともC級2組への昇級を決めていますが、佐々木大四段も先輩に追いつけおいこせとばかりに1年に経たずにフリークラスからC級2組への昇級を決め、これは歴代最速記録となります。
さらに昨年度の叡王戦予選を突破し本戦出場を決めるなど、その秘められた能力をいかんなく発揮し、いよいと棋戦初優勝も見えてきました。
あまり目立ちませんが、実力急上昇中の若手のひとりといっても過言ではないと思います。
さあ、フリークラス出身者による棋戦初優勝はなるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/shinjin/kifu/48/shinjin201710060101.html

ということで、将棋です。
先手は増田康四段で、最近多用している雁木に組みます。
後手の佐々木大四段は中住まい風に玉を納めます。お互いに玉を深く囲わず、バランス重視の構えです。最近の流行といっていいと思います。
仕掛けたのは増田康四段。
歩を四連続で突き捨てて桂馬を取りますが歩切れ。
かなり難解な形勢に見えます。
後手は飛車切りから反撃し、先に先手玉を薄くしますが、以外に広くて捕まりません。
金が1枚でも相手にあれば違うのですが。
増田康四段が反撃に転じてからは早かったです。
中住まいの弱点を確実に突き、3~4筋の金銀を置き去りにして一気に寄せ切ってしまいました。
鮮やかな終盤だったと思います。

これで増田康四段は連覇に向けて好スタートを切りました。
第2戦は、10月16日(月) 東京・将棋会館 で行われます!
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【公募情報】第12回575で交わす夫婦の会話川柳 [公募情報]

男女共同参画の一環として、碧南市が川柳を募集しています。

【主催者HP】
http://www.city.hekinan.aichi.jp/kyodoka/07danjokyodo/danjotop.htm

この公募で面白いのは夫婦の会話形式で応募することです。
よって1句だけではだめで、夫婦2句がセットになっています。
これを説明するのは難しいので、主催者HPから過去受賞作を詠んでみてください。
イメージがつくと思います。
応募締切は平成29年11月30日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :夫婦の会話
入  賞:碧南市特産品
応募方法:郵送、FAX、持参
応募締切:平成29年11月30日
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【書評】ジョン・グリシャム『謀略法廷』 [書評]

日本とは一風違う文化が垣間見れます。


謀略法廷〈上〉 (新潮文庫)

謀略法廷〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: ジョン グリシャム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/06/27
  • メディア: 文庫




謀略法廷〈下〉 (新潮文庫)

謀略法廷〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: ジョン グリシャム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/06/27
  • メディア: 文庫



ジョン・グリシャムは『評決のとき』でデビューし、作品の多くが法廷を舞台にしています。
謀略法廷も法廷を舞台にしていますが、むしろ裁判官を選ぶ裁判がメインです。
大企業が土壌汚染を侵し、4100万ドルの倍賞判決がでるところから物語は始まります。
そこで大企業が取った作戦というのが、意のままになる人物を裁判官として送り込むことです。
誹謗中朝の雨あられがふる選挙戦が始まり、中道の裁判官が極左の扱いをされて追い落とされます。
もちろん裁判も逆転し、大企業の株価は戻ります。
この株価が上下する過程で、大企業のオーナーはさらなる大もうけをして高笑いです。
選挙戦がリアルで、資金が結果を左右するのもうなずけます。

リアルな黒い話を読みたいひとのために!

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第65期王座戦第3局(羽生善治王座VS中村太地六段) [将棋]

中村太地六段が初タイトルまであと1勝で迎えた第3局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ouza/

中村太六段の師匠は(故)米長邦雄永世棋聖です。
米長永世棋聖も4冠王を取ったことがありますが、上には大山康晴十五世名人がいて、少し下には中原誠永世十六世名人がいたという不遇もありながらも、歴代5位の通算19期のタイトルを獲得しています。
最後のタイトルは名人でしたが、その最後のタイトルを奪ったのが羽生善治です。
それから20年以上がたち、羽生王座からタイトルを奪おうとしているのが中村太六段です。
時代はゆっくりと変わっていきます。


【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/65/ouza201710030101.html

ということで将棋です。
勝率5割台前半をうろうろしている羽生王座ですが、角番は角換わりの最新形となりました。
この土壇場になっても若手有利と思われる最先端につっこんでいく羽生王座を見ると、まだまだ若いなあと思います。
棋風通り後手が積極的に仕掛けますが、全体的に駒得をした先手やや有利で局面が進んでいたようです。
とはいっても微差で、逆転したのが77手目の2四歩。
これは戦いの最中に玉の安全度を測った羽生王座らしい2二玉に対して玉頭の歩を突いたわけですが、押さえの駒がいないので一気に上部が開けました。
とはいっても五分の形勢。
一気に後手有利に振れたのは101手目の1四銀です。
ここは竜を受けに使った方が良かったようで、その後は一瞬だけ互角に戻りますが、終盤まで時間を残した羽生王座が押し切りました。

これで待望の1勝目です。
第4局は10月11日に横浜市「横浜ロイヤルパークホテル」で行われます!

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【書評】高野和明・阪上仁志『夢のカルテ』 [書評]

ストーリーを共同で考案し、執筆は高野和明です。


夢のカルテ (角川文庫)

夢のカルテ (角川文庫)

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/12/22
  • メディア: 文庫



主人公はカウンセラーをしている若い女性です。相手の夢の中に入れる特技を活かして、多くの患者を救っていきます。
基本的には短編連作ですが、第1章で出会った若い刑事との恋愛が話の軸となり、テーマとしては人の心の不思議さです。
主人公はこの恋愛が本物なのか、それとも過去の体験に起因する転移感情に過ぎないのか悩み続けます。
そして、最後に結論を出します。
それぞれの章は高野和明らしくミステリ仕立てになっており、最終章ではアクションシーンも入っています。

高野和明らしさと、意外な一面の両方を見ることができる小説だと思います。

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