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【映画】マルクス・エンゲルス [映画評]

マルクスとエンゲルスが共産党宣言を出すまでの若き日々を描きます。


マルクス・エンゲルス [レンタル落ち]

マルクス・エンゲルス [レンタル落ち]

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2018/10/24
  • メディア: DVD



舞台は1840年代です。
当時は資本主義が始まったばかりで、都市部に近代的な工場が立ち始めた時期でした。
工場主は利益を極大化するために、低賃金で雇える子供を昼夜を問わず働かせていました。
そうした時代背景に生まれたのが、共産党宣言です。
映画ではマルクスとエンゲルスの友情を中心に描きます。
2人とも理想主義で偏屈者として描かれていますが、特に尖っているのがマルクスで、エンゲルスはマルクスと比べると常識的な人物になっています。
マルクスはとにかく批判ばかりで、敵を多数作ります。
それでも信念に支えられて、自らの道を歩みます。
共産主義には詳しくないので、この映画が歴史的事実にどれだけ即しているのかは分かりません。
映画の構造からすると、尖った人物ゆえにトラブルばかりのマルクスが、通常なら反省して新しい人間に生まれ変わるところです。
ですが、マルクスはそんな人物ではありません。最後まで尖ったままで、その尖り具合で逆に回りを引き寄せてしまう。
そんな一風変わった構造になっています。ただこの構造にするには、もっと当時の労働者の悲惨な状況を、克明に描写する必要があったのかなと思います。
映画ですが、正義者同盟内部の論理闘争、権力闘争が中心で、一般視聴者の感覚からは少しずれている気がします。
ときおり難しい話がでてきますが、議論を聞くと、労働価値説の話が中心かな、と思います。
もちろん現代社会から共産主義を見ると、当時の理論的基礎となった経済事情が全くことなっているので、通用しません。いまは株式会社が普通となり、労働者と資本家が分かれていませんので。
けど、当時としては重要な議論だったのだと思います。
評論家の評価としては微妙なようです。この辺りは、政治的な立ち位置で評価が分かれるかもしれません。

マルクスとエンゲルスを描いた映画を見たいひとのために!
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