【映画】運び屋 [映画評]
クリントイーストウッドが麻薬の運び屋を演じるハートウォームなストーリーです。
主人公は朝鮮戦争の退役軍人です。
引退後は園芸を経営して花(デイリーリリー)のコンテストに熱中しています。
家族そっちのけで仕事中心の生活をしていたため、妻からは離婚され、娘からも嫌われています。
唯一の見方は孫娘だけです。
農園が倒産して行き場がなくなった主人公に、怪しげな男が近づきます。
「物を運ぶだけでお金になる」
もちろん普通のブツではなく麻薬で、主人公は前科無しの違反なしの模範ドライバーだったため組織から重宝されます。
麻薬運搬で稼いだお金で農場を買い戻し、退役軍人会も立て直します。
しかし、家族との関係や時間は買い戻せません。
主人公は組織からタタ(おじいさん)と呼ばれて愛されますが、組織のボスが変わり、急に締め付けが厳しくなります。
「時間に遅れたり、命令に背いたら殺す」と言われて、主人公はいつものようにブツを届けに向かいます。
しかし、その途中出孫娘から連絡がきます。
「お祖母ちゃんが危ないの」
主人公は、組織から殺される危険も顧みずに、元妻の枕元へと向かいます。
という感じのストーリーです。
軸は2つで、主人公のストーリーと、もうひとつが麻薬組織を追う麻薬取締官のストーリーです。
映画の構成としては、最初に主人公の問題点が提示され、何度か家族との和解を試みますが拒否されます。
しかし、最後に命の危険を顧みずに元妻の看病をしたことで、つまり主人公は正しい選択をしたことで、家族との和解に成功します。まさに鉄板のストリー展開です。
この手の映画のキモは、正しい選択をするようになるまでの主人公の成長をどう描くかです。
老人なので成長するわけではありませんが、様々な場面で自分の人生を何度も後悔し、どんどん悪い方向に落ちていくことを自覚したことで、最後の思い切った行動につなげています。
また主人公と麻薬捜査官はモーテルで会話を交わしています。このシーンは主人公の緊迫度を増すとともに、自らの人生の振り返る機会ともなり、さらにラストシーンへと繋げる三重の意味を持っています。
なかなかうまい構成だと思います。
元妻が死に際に「今日は昨日より愛している?」と尋ねたとき、主人公の返答がしゃれています。
「明日はもっとだよ」
なかなかの名セリフだと思います。
ちなみにこの主人公にはモデルがいて(レオ・シャープ)、85歳で麻薬の運び屋となり、園芸を経営し、デイリーリリー栽培の達人で、あだ名がエル・タタ(おじいさん)であることも一緒です。
製作費50百万ドルに対して、興行収入1億64百万ドルの成功作となりました。
88歳でもかくしゃくとしたクリントイーストウッドの演技をみたいひとのために!
運び屋 4K ULTRA HD&ブルーレイセット (2枚組) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2019/06/19
- メディア: Blu-ray
主人公は朝鮮戦争の退役軍人です。
引退後は園芸を経営して花(デイリーリリー)のコンテストに熱中しています。
家族そっちのけで仕事中心の生活をしていたため、妻からは離婚され、娘からも嫌われています。
唯一の見方は孫娘だけです。
農園が倒産して行き場がなくなった主人公に、怪しげな男が近づきます。
「物を運ぶだけでお金になる」
もちろん普通のブツではなく麻薬で、主人公は前科無しの違反なしの模範ドライバーだったため組織から重宝されます。
麻薬運搬で稼いだお金で農場を買い戻し、退役軍人会も立て直します。
しかし、家族との関係や時間は買い戻せません。
主人公は組織からタタ(おじいさん)と呼ばれて愛されますが、組織のボスが変わり、急に締め付けが厳しくなります。
「時間に遅れたり、命令に背いたら殺す」と言われて、主人公はいつものようにブツを届けに向かいます。
しかし、その途中出孫娘から連絡がきます。
「お祖母ちゃんが危ないの」
主人公は、組織から殺される危険も顧みずに、元妻の枕元へと向かいます。
という感じのストーリーです。
軸は2つで、主人公のストーリーと、もうひとつが麻薬組織を追う麻薬取締官のストーリーです。
映画の構成としては、最初に主人公の問題点が提示され、何度か家族との和解を試みますが拒否されます。
しかし、最後に命の危険を顧みずに元妻の看病をしたことで、つまり主人公は正しい選択をしたことで、家族との和解に成功します。まさに鉄板のストリー展開です。
この手の映画のキモは、正しい選択をするようになるまでの主人公の成長をどう描くかです。
老人なので成長するわけではありませんが、様々な場面で自分の人生を何度も後悔し、どんどん悪い方向に落ちていくことを自覚したことで、最後の思い切った行動につなげています。
また主人公と麻薬捜査官はモーテルで会話を交わしています。このシーンは主人公の緊迫度を増すとともに、自らの人生の振り返る機会ともなり、さらにラストシーンへと繋げる三重の意味を持っています。
なかなかうまい構成だと思います。
元妻が死に際に「今日は昨日より愛している?」と尋ねたとき、主人公の返答がしゃれています。
「明日はもっとだよ」
なかなかの名セリフだと思います。
ちなみにこの主人公にはモデルがいて(レオ・シャープ)、85歳で麻薬の運び屋となり、園芸を経営し、デイリーリリー栽培の達人で、あだ名がエル・タタ(おじいさん)であることも一緒です。
製作費50百万ドルに対して、興行収入1億64百万ドルの成功作となりました。
88歳でもかくしゃくとしたクリントイーストウッドの演技をみたいひとのために!
コメント 0