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第48期棋王戦第3局(渡辺明棋王八段VS藤井聡太竜王) [将棋]

藤井竜王の2勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

棋王戦は共同通信社が主催で、2021年からコナミが特別協賛、大塚製薬が協賛しています。
共同通信社は株式会社ではなく一般社団法人です。そのため決算関係が不明ですが、HPには予算規模が約414億円とあるので、これが売上なのかもしれません。
従業員数からすれば大企業ですが、売上からすると特別協賛のコナミや協賛の大塚製薬の方が遥かに大きいです。
棋王戦の賞金序列は6位です。
第5位の王座戦の主催が日本経済新聞で特別協賛が東海東京証券なので、資金的には棋王戦の方が潤沢そうです。
それでも順位6位なのは、総額は据え置きで、共同通信社の負担を減らしたのかもしれません。
某サイトによると賞金額を900万と推定していますが、囲碁の碁聖戦800万、十段戦が700万なので、比較するとそのぐらいかな、とも思います。
序列が上がったら、協賛企業がより資金を提供してくれたということで。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/48/kiou202303050101.html

ということで、将棋です。
藤井竜王が先手でスラスラと角換わりに進み、その中でも先手単騎の桂馬ポンからなり捨てて、後手の桂馬を取り返す形になります。
これは角換わりの中でも、特に深く研究されている形です。
お互いに共通認識があるのか途中で先手8二角という珍しい手を指しますが、その後もスラスラと手が進んでいきます。
絶対手の連続ではなく、手が広い局面も多いのですが、それでも手が止まりません。
先に手が止まったのは渡辺棋王でした。66手目の局面で少考に入ります。65手目の6七桂はAIの候補手のひとつですが、先に持ち駒を放つので有力視していなかったのかもしれません。
渡辺棋王の想定局面から外れたのかもしれませんが、桂には桂で無難に受けます。
そこからはお互いに一手が重くなります。
お互いに玉が接近する中で、中盤で抜け出したのは渡辺棋王でした。
玉飛接近ですが、飛車1枚だけ攻め駒が多かったのが功を奏したのかもしれません。
さて終盤ですが、タイトル戦ではなかなか見ない二転三転のドラマがありました。
渡辺棋王勝勢となりながらも、藤井竜王は右辺に逃げ込み楽にさせず、とにかく分かり易い局面を避けます。
渡辺棋王は150手目に1七金と放り込みますが、これが悪手で1七で清算した局面は渡辺玉に詰みが生じました。
終盤の大逆転です。
藤井竜王は馬切りから詰ましにいきますが、3手目の2六飛車が悪手で、ここは2五歩と叩きを入れるのが正解でした。
逆転からの再逆転です。
詰みを逃れたといっても、簡単な手順ではありません。渡辺棋王はギリギリで詰みを交わし、最後は歩1枚の差で、打ち歩詰めで逃れるという奇跡的な手順です。
史上まれにみる熱戦を制して、渡辺棋王は防衛に望みをつなぐとともに、藤井竜王の先手番連勝記録を止めました。

第4局は3月19日に栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われます!
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