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第72期ALSOK王将戦第5局(藤井聡太王将VS羽生善治九段) [将棋]

藤井王将の2勝2敗で迎えた第5局です。

〔中継サイト〕
https://mainichi.jp/oshosen2023

藤井王将と羽生九段のタイトル戦が決まったとき、大きな話題となりました。
将棋史上屈指の天才藤井聡太と、タイトル獲得数99期平成のレジェンド羽生善治のタイトル戦は、だれもが望むカードだったはずです。
しかし、両者のレーティングには大きな開きがあり、年齢的にも32歳も離れています。
いくら天才羽生でも、いまが旬の天才にはかなわない。藤井王将の4-0、もしくは4-1で防衛というのが大方の予想だったと思います。実際に王将戦が始まるまでの対戦成績は藤井王将の7-1と圧倒しています。
それが第4局まで2―2と互角の戦いを演じるとは、まさにサプライズです。
藤井王将はタイトル戦負けなしで、第4局まで終わってリードできないのは第6期叡王戦と今回の王将戦だけです。七番勝負では初です。
まるでテニスのように、ここまでお互いに先手番をキープし続けています。つまり、相手の先手番をブレイクしたらタイトルに大きく近づくという意味です。
羽生九段には後手番の必殺戦法として、横歩取があります。
さあ第5局の先手番は藤井王将です。後手番の羽生九段は横歩取りを披露することはあるでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen2023/230225.html

ということで、将棋です。
後手番羽生九段は、ここぞの必殺戦法、後手横歩取りに誘導します。王者藤井王将は当然のことながら受けて立ちます。
さらに羽生九段は後手番ながら横歩を取り、プロ間では極めて珍しい相横歩取りを採用します。
この作戦はAI研究の進歩もあり先手有利が定説ですが、この作戦に誘導したからには羽生九段に準備があると見るのが普通です。
序盤の山場は41手目でした。藤井王将は狙われた桂馬を2時間の長考の末に前向きに跳ねだします。
対する羽生九段は藤井王将を上回る2時間21分の長考に沈み、やや妥協して2六の歩をなり捨ててから銀桂両取りをかけました。
しかし、ここは難解な手順ながら、強く3七歩打ちと攻めあっていたら後手有望だったようです。
以降は藤井王将優勢で進みますが、終盤に2回目の山場がやってきました。
77手目の5三銀打ちが分かりやすい数の攻めに見せて後手に一瞬の猶予が生まれました。
さっそく5六歩と嫌味を付けて、角の利きを交わしながらの4五桂馬打ちで先手玉が一気に危なくなります。評価値も逆転です。
さらに羽生九段は6九飛車と打ち下ろして迫りますが、88手目に一旦5一銀と受けたのが変調で、これで評価値が一気に逆転どころが藤井王将勝勢となります。
おそらく桂馬ではなく角から切り込む手を見落としたのだと思っていましたが、局後の感想によると手順に先手玉が上に逃げられるのを嫌ったようです。
しかし、この手を境として一気に藤井王将に持っていかれたのですから、読みのエアスポットに落ち込んでしまったのかもしれません。
以降は101手まで藤井王将が勝ち切り、危ない場面はあったものの、なんとか先手番をキープしての3勝目です。
羽生九段としては痛恨の1手になってしまったかもしれません。

藤井王将の初防衛がかかる第6局は、3月11日(土)、12日(日)に佐賀県三養基郡上峰町「大幸園」で行われます!

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Buy Essay cqg

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by Buy Essay cqg (2023-02-26 20:03) 

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