【書評】清武英利『しんがり~山一証券 最後の12人~』 [書評]
山一証券破綻後も会社に残り、清算業務と破綻の真相解明を続けた社員たちを追うノンフィクションです。
本書は2014年講談社ノンフィクション大賞を受賞した渾身作です。
山一証券が破綻したのは、バブル崩壊後数年が経過した1997年です。
それまで飛ばしを始めとする様々な粉飾決算を繰り返し、大口顧客には利回りを約束して資金を集めては違法な損失補填を続け、3000億近い帳簿外債務を隠し続けます。
それらがすべて爆発したのが、1997年です。
混乱する会社に踏みとどまったのは、いままで「場末」と呼ばれて会社の本流からは遠い位置にいた業務管理本部の社員です。
会社の危機は一部の幹部だけが抱え、社員はもちろんのこと、常務の中にも知らないひとがいました。
業務管理本部が敗走する会社の「しんがり」となり、幹部たちへのヒアリングを繰り返し、清算業務も並行して行うという誰も得しない業務を引き受けます。
ОBたちの妨害や、後ろ向きな業務に様々な悩みを抱えつつ、目の前の仕事に没頭する社員たちの頑張りに敬意を表したいです。
主人公がはっきりしていて、まるで小説のように読めるノンフィクションです。
遠ざかりつつあるバブル崩壊の記録を残すために!
本書は2014年講談社ノンフィクション大賞を受賞した渾身作です。
山一証券が破綻したのは、バブル崩壊後数年が経過した1997年です。
それまで飛ばしを始めとする様々な粉飾決算を繰り返し、大口顧客には利回りを約束して資金を集めては違法な損失補填を続け、3000億近い帳簿外債務を隠し続けます。
それらがすべて爆発したのが、1997年です。
混乱する会社に踏みとどまったのは、いままで「場末」と呼ばれて会社の本流からは遠い位置にいた業務管理本部の社員です。
会社の危機は一部の幹部だけが抱え、社員はもちろんのこと、常務の中にも知らないひとがいました。
業務管理本部が敗走する会社の「しんがり」となり、幹部たちへのヒアリングを繰り返し、清算業務も並行して行うという誰も得しない業務を引き受けます。
ОBたちの妨害や、後ろ向きな業務に様々な悩みを抱えつつ、目の前の仕事に没頭する社員たちの頑張りに敬意を表したいです。
主人公がはっきりしていて、まるで小説のように読めるノンフィクションです。
遠ざかりつつあるバブル崩壊の記録を残すために!
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