【書評】朝河貫一『日本の禍機』 [書評]
明治41年という段階で、後の太平洋戦争を警告した本です。
時代背景の説明が必要です。
明治38年に日露戦争で勝利した日本はポーツマツ条約、さらに明治40年の日露協定にて南満州の権益を手にします。
満州の権益は欧米各国も狙っていて、桂・ハリマン協定で米国も参加しようとしますが、これは破棄されてしまいます。
このころ清国に対しては「領土の保全」「門戸開放政策」が欧米のコンセンサスとなっており、満州を独占しようとする日本との軋轢が高まっていました。
日本からすれば日露戦争で莫大な血と国費を投じて勝ち取った権益という思いがありますが、そうした日本国内の雰囲気に、アメリカのエール大学教授だった朝河貫一が憂慮を示したのが本書です。
そして、朝河が警告したように、最終的には太平洋戦争まで繋がってしまいます。
外交は冷静な目が必要です。
国内だけでなく国外からの目も必須です。国内向けの理屈で世界を動かそうとするととんでもない知っぺ返しを食らう。
その後の悲惨な戦争のことを思えば、著者の言にも多くうなずけると思います。
明治の碩学の本を読みたいひとのために!
時代背景の説明が必要です。
明治38年に日露戦争で勝利した日本はポーツマツ条約、さらに明治40年の日露協定にて南満州の権益を手にします。
満州の権益は欧米各国も狙っていて、桂・ハリマン協定で米国も参加しようとしますが、これは破棄されてしまいます。
このころ清国に対しては「領土の保全」「門戸開放政策」が欧米のコンセンサスとなっており、満州を独占しようとする日本との軋轢が高まっていました。
日本からすれば日露戦争で莫大な血と国費を投じて勝ち取った権益という思いがありますが、そうした日本国内の雰囲気に、アメリカのエール大学教授だった朝河貫一が憂慮を示したのが本書です。
そして、朝河が警告したように、最終的には太平洋戦争まで繋がってしまいます。
外交は冷静な目が必要です。
国内だけでなく国外からの目も必須です。国内向けの理屈で世界を動かそうとするととんでもない知っぺ返しを食らう。
その後の悲惨な戦争のことを思えば、著者の言にも多くうなずけると思います。
明治の碩学の本を読みたいひとのために!
コメント 0