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【書評】草薙厚子『元少年Aの殺意は消えたのか』 [書評]

少年Aの手記『絶歌』が出版されたのを受けての本です。


元少年Aの殺意は消えたのか 神戸連続児童殺傷事件 手記に見る「贖罪教育」の現実

元少年Aの殺意は消えたのか 神戸連続児童殺傷事件 手記に見る「贖罪教育」の現実

  • 作者: 草薙厚子
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2015/08/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



少年Aは日本で一番有名な仮名かもしれません。
1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件の犯人で、犯行当時14歳。2名の児童を殺害し、1名に重傷を負わせました。
彼は逮捕されましたが、少年法の規定により氏名は伏せられます。
少年Aは治療が必要と判断され、4年間の関東医療少年院、4年間の少年院での治療、矯正教育を経て2005年には退院しています。
そして、いまは自由の身となり、手記『絶歌』の出版に至ります。
著者は『絶歌』を読み、あまりに身勝手な主張に矯正教育の失敗を悟り、その原因のひとつとして「広範囲性発達障害」を指摘します。
この事件を契機として、少年法の改正や、被害者側の人権の考慮などが進められました。
いくら少年とはいえ、2人を殺害、1人に重傷を負わせておいて「8年間の治療」のみ大手を振って外にでられたのではたまらない、というのが市民感情だと思います。
過ちなどではなく、明確な悪意のある犯罪については、厳しい態度で向かってもよいのではないかと思います。

少年犯罪について考えたいひとのために!
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