【書評】小松左京『復活の日』 [書評]
小松左京第2長編で、かつ代表作のひとつです。
初版は1964年。
致死率100%かつ感染力の強い新型ウィルスが事故により流出します。
35億の人類(当時)は死に絶え、哺乳類も壊滅します。
そして、生き残ったのは、たまたま世界から隔絶されていた南極観測隊員の約1万のみ。
そこから人類の復活を目指すために動き始めたところで、自動的に発射される核ミサイルシステムが作動する可能性があることが判明します。
南極で生き残った人類は、決死隊を結成して核ミサイル発射を阻止しようとしますが、寸前で間に合いません。
地球は復活不能と思われたが……
というのが大まかなストーリーです。
小松左京の代表作である『日本沈没』と構成は似ています。
荒唐無稽なストーリーになりがちなところを、著者の豊富な科学的知識と、精密な描写でリアルな世界として紡ぎだしていきます。
前半部はとにかく人間が死んでいきます。そのための描写が延々と続きます。
ですが、この描写があるからこそ、復活に向かう人間たちの強さが引き立ちます。
終盤の核ミサイルのシーンは、とって付けた感がありました。ですが、ラストまで読んだときに、このシーンの意味を知り、唸らざるを得ませんでした。
当時の社会情勢も色濃く反映されており、こうした幅広い視野が、小松左京を日本を代表するSF作家として君臨できた秘訣ではないかと思います。
インターネットがない時代に書かれたことを思うと、著者の調査力には感服です。
もちろん映画化もされています。
小松左京初期の代表作を堪能したいひとのために!
初版は1964年。
致死率100%かつ感染力の強い新型ウィルスが事故により流出します。
35億の人類(当時)は死に絶え、哺乳類も壊滅します。
そして、生き残ったのは、たまたま世界から隔絶されていた南極観測隊員の約1万のみ。
そこから人類の復活を目指すために動き始めたところで、自動的に発射される核ミサイルシステムが作動する可能性があることが判明します。
南極で生き残った人類は、決死隊を結成して核ミサイル発射を阻止しようとしますが、寸前で間に合いません。
地球は復活不能と思われたが……
というのが大まかなストーリーです。
小松左京の代表作である『日本沈没』と構成は似ています。
荒唐無稽なストーリーになりがちなところを、著者の豊富な科学的知識と、精密な描写でリアルな世界として紡ぎだしていきます。
前半部はとにかく人間が死んでいきます。そのための描写が延々と続きます。
ですが、この描写があるからこそ、復活に向かう人間たちの強さが引き立ちます。
終盤の核ミサイルのシーンは、とって付けた感がありました。ですが、ラストまで読んだときに、このシーンの意味を知り、唸らざるを得ませんでした。
当時の社会情勢も色濃く反映されており、こうした幅広い視野が、小松左京を日本を代表するSF作家として君臨できた秘訣ではないかと思います。
インターネットがない時代に書かれたことを思うと、著者の調査力には感服です。
もちろん映画化もされています。
小松左京初期の代表作を堪能したいひとのために!
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