【書評】福島正実『未踏の時代』 [書評]
福島正実による日本SF創成期の回顧録です。
日本SFの創成期において、福島正実の存在は大きかったです。
早川書房でSFマガジンを創設し、編集・執筆・新人育成とマルチな才能を発揮し、次々と新進気鋭のSF作家を世に送り出しました。
SF愛との裏腹ではあるのですが、意に沿わない意見には俄然と反論し、様々な問題を引き起こしたようです。
SFに好意的だった文芸評論家の荒正人を激怒させたり、児童文学者協会に対して品のない意見をSFマガジンで書いたりしています。
本書では触れられていませんが、「覆面座談会事件」も引き起こしています。
それでも、SF界の真ん中にいた人物だけに、回顧録は面白いです。
半村良の住所が分からず、受賞通知を出せずに困っていたら喫茶店でばったり会った話や、小松左京のファースト長編を他社にとられたことに出版直前まで気が付かなった話や、超多忙の手塚治虫から原稿の承諾を得た際に、マネージャーから「先生が勝手に決めた話なので責任を持てません」と言われた話など、秘話がたくさんです。
初期から活躍してきた星新一の名前も頻出していますが、いつもユーモア満載のひとだったようです。
SF創成期の熱量を感じたいひとのために!
日本SFの創成期において、福島正実の存在は大きかったです。
早川書房でSFマガジンを創設し、編集・執筆・新人育成とマルチな才能を発揮し、次々と新進気鋭のSF作家を世に送り出しました。
SF愛との裏腹ではあるのですが、意に沿わない意見には俄然と反論し、様々な問題を引き起こしたようです。
SFに好意的だった文芸評論家の荒正人を激怒させたり、児童文学者協会に対して品のない意見をSFマガジンで書いたりしています。
本書では触れられていませんが、「覆面座談会事件」も引き起こしています。
それでも、SF界の真ん中にいた人物だけに、回顧録は面白いです。
半村良の住所が分からず、受賞通知を出せずに困っていたら喫茶店でばったり会った話や、小松左京のファースト長編を他社にとられたことに出版直前まで気が付かなった話や、超多忙の手塚治虫から原稿の承諾を得た際に、マネージャーから「先生が勝手に決めた話なので責任を持てません」と言われた話など、秘話がたくさんです。
初期から活躍してきた星新一の名前も頻出していますが、いつもユーモア満載のひとだったようです。
SF創成期の熱量を感じたいひとのために!
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