SSブログ

【書評】堀晃『太陽風交点』 [書評]

堀晃のハードSF短編集です。


太陽風交点 (1981年) (徳間文庫)

太陽風交点 (1981年) (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: 文庫



収録されているのは10編です。
どれも短編らしく、ワンアイデアを綺麗にまとめています。
ハードSFというと科学的厳密さの描写に力点が置かれがちですが、本作ではそのようなことはなく、とても読みやすい作りになっています。
『暗黒星団』は物質と反物質の間を世代交代をする生物について、『悪魔のホットライン』はエントロピーについて、『電送都市』は情報理論をテーマにしています。
それぞれ科学的知識とSFらしい発想の飛躍があり、粒ぞろいの短編集だと思います。
本書については、のちに重版契約を巡り、SF界を揺るがす「太陽風交点事件」が発生します。
SFマガジンの初代編集長であった福島正実の本を読むと、日本SF黎明期の早川書房の原稿料はかなり安かったようで、なんとなく、そのあたりの背景がうかがわれるような。

読みやすいハードSFを楽しみたいひとのために!
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。