SSブログ

第69期大阪王将杯王将戦第3局(渡辺明王将VS広瀬章人八段) [将棋]

渡辺王将の1勝1負で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://mainichi.jp/oshosen/

渡辺王将と広瀬八段は順位戦でA級に所属しています。
その順位戦で渡辺王将が圧倒的な成績をおさめ7回戦で名人挑戦を決めています。
毎年厳しい戦いとなる8回戦、9回戦を消化試合に出来たのは、タイトル戦が続く多忙の渡辺にとって、嬉しい誤算だと思います。
研究ストックを出し惜しみすることもできますし、名人戦への準備も進められます。
しかも8回戦である糸谷八段戦も序盤苦戦も気が付いたら快勝で、よい流れで第3局を迎えられます。
広瀬八段は7回戦を終えた時点で4勝3敗でした。
残留を決めているので順位を目指す試合となった8回戦での佐藤天彦八段戦で勝ち5勝目をあげたものの、肝心の竜王戦では1回戦で同じ佐藤天八段に負けてしまい、調子としては微妙なところです。
やや勢いに差のある両者ですが、広瀬八段は第2局で快勝した勢いを、ここで取り戻すことができるでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/200208.html

ということで将棋です。
先手渡辺王将の選択は角換わり早繰り銀でした。
腰掛銀は後手待機戦術がかなり有力で、桂捨て定跡がどんどん進んで、いまや矢倉91手定跡みたいになりそうな勢いです。
研究合戦を避けたのかもしれません。
部分定跡の小競り合いからひと段落していよいよ力勝負です。
中盤、後手の広瀬八段から7筋の歩交換したのが好判断で、3六歩から広瀬八段ペースの戦いになります。
そこからドンと飛車をぶつけて銀飛車交換の駒損の攻めが炸裂し、後手優勢のまま終盤戦になります。
ここから渡辺王将の粘りが見事でした。
6七玉の顔面受けから、手がかりのない後手陣に6二歩とただのところに打ち込みます。
この歩が実戦心理的に取りにくく、この歩が反撃の糸口となります。
この歩を足がかりに銀をベタベタ打って後手玉を攻め、徐々に形勢が怪しくなります。
最終的な敗着は118手目だったようです。
2五桂と打てばまだ残していたようですが、2五歩と伸ばしたばかりに、その裏に飛車を打たれてしまいました。
このあたり、広瀬八段は必要以上に形勢を悲観してしまったようです。
渡辺王将は大きな1勝を拾い、これで2勝1敗とリードしました。

第4局は2月20・21日(木・金)、神奈川県足柄下郡箱根町「ホテル花月園」で行われます!

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。