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【書評】山村美紗『殺意のまつり』 [書評]

ミステリーの女王、山村美紗の短編集です。


殺意のまつり (1982年) (文春文庫)

殺意のまつり (1982年) (文春文庫)

  • 作者: 山村 美紗
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1982/06
  • メディア: 文庫



初出は昭和49年~51年なので、時代を感じます。
テレビのチャンネルがダイヤル式だったり、親子を判別するのにDNA鑑定がなかったり、年賀状が手書きだったりします。
そうした小さなアイデアを、短編にしてしまう構成力と筆力はさすがだと思います。
表題作の『殺意のまつり』は、出てくる人物、みんな悪人ばかりで驚きです。
『孤独な証言』は日航機墜落事故に発想の端を発しており、唯一の生き残りとなった主人公の証言が好きなように切り取られ、解釈され、本人の意図とは違う方向に持ち去られてしまいます。現代にも通じるテーマが描かれています。

トリックメーカーの若き日の短編を読みたいひとのために!
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