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【書評】スティーヴン・ウィット『誰が音楽をタダにした?』 [書評]

mp3の登場によって、音楽が実質的に無料となってしまうまでのドキュメンタリーです。


誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち (早川書房)

誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち (早川書房)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/09/25
  • メディア: Kindle版



本書は3本の軸によって書かれています。
まずはmp3を開発する技術者たち。最初は良さを認めてもらえずというより、既成権益の妨害により敗北を重ねます。
しかし、不法に音楽をネットに流す海賊たちの登場により、一気に標準フォーマットにのし上がり、開発者は大もうけをします。

次に音楽業界たち。
あるドンの半生を語ることで音楽業界の浮沈が表現されます。人気アーティストの激しい囲い込みや、売れる音楽を求めて熾烈な争いが繰り広げれれます。
業界は太る一方ですが、海賊の登場により、CDの売りは激減し、対策を求められます。

最後に海賊たち。
彼らは新譜を発売前に聞くというだけの見返りのために、mp3を使ってただひたすら不法にデータをアップしていきます。
しかも、驚くことに、多くのデータがあるCD工場の一従業員によって流出していました。

この3本の軸が合わさり、最後に音楽業界が発見した解決策とは……
といったドキュメンタリーです。
ミステリ仕立てで実に面白いです。
ドキュメンタリーが苦手なひとにもオススメしたい本です。

音楽業界の裏側を知りたいひとのために!
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