SSブログ

【書評】林青梧『足利尊氏』 [書評]

著者は計6回も芥川賞、直木賞候補になっています。


足利尊氏

足利尊氏

  • 作者: 林 青梧
  • 出版社/メーカー: 叢文社
  • 発売日: 1984/01
  • メディア: 単行本



足利尊氏は評価の難しい人物です。
室町幕府の創設者であり、鎌倉幕府を滅ぼした剛の武士ではあるのですが、戦いにはたびたび負け、天下を取った後も弟に負けたりしています。
小説では思慮深い人物として書かれていますが、どちらかといえば無頓着で、恩賞をばらまくかと思えば、敵を味方しにしたり、味方を簡単に切り捨てたりしています。
おそらく豊臣秀吉のような、ひとたらしの名人だったような気がします。
林青梧は足利尊氏を史実に照らし合わせながら、できるだけ丁寧に描こうとしていると感じます。
もちろん細部はフィクションなのですが、史実かどうか疑わしい出来事は注を入れ、読者を歴史の世界に誘うように工夫していると感じます。

足利尊氏をもっと知りたい人のために!


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0