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【書評】田家康『気候文明史』 [書評]

気候変動と歴史をリンクさせた、歴史に新しい視点を与えてくれる本です。


気候文明史

気候文明史

  • 作者: 田家 康
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2010/02/20
  • メディア: 単行本



著者は農林中央金庫勤務……ということは、アマチュアです。学者ではありません。
最初はアマチュアだけに割り引いて読まなければいけないと思っていましたが、その懸念はすぐに吹き飛びました。内容と知識の潤沢さに驚くばかりです。

本書は過去の気候変動と、その気候変動がもたらす人類への影響を世界史的に叙述します。
人類への影響が大きいのは寒冷化です。
氷河期だけでなく、1℃~2℃の差でも人類的には大きいです。
数字的には差がないように見えますが、高度にすると200m~400mほど高くなるイメージです。
いままでと同じ作物では大幅な減収となり、耕作可能期間は短くなり、耕地可能面積も減少します。
農民の苦しさが、資源を争う戦争となり、ときには民族大移動を引き起こしていきます。
著者は気象予報士の資格を持ち、日本気象予報士会東京支部長でもあります。
学者ではありませんが、気象のプロといえると思います。

歴史書を読むとき、手元において資料として活用したい。
そのように思わせる本だと思います。

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