【書評】友乃雪『とんだトラブル!? タイムトラベル』 [書評]
第25回(2007年)福島正実記念SF童話大賞受賞作です。
ストーリーをかいつまんで説明すると、主人公の部屋に、過去の自分、未来の自分がやってきて、ロボット兵器開発を阻止するために3人が力を合わせるという話です。
児童文学らしく、全体的に上品なユーモア感が漂っています。
しかし、一読した感想は、〔設定がレトロ〕というのが正直なところ。
ロボット兵器開発を阻止するために、チップの完成品と、設計図を奪うのですが、ドラフトで図面を引いていたのはかなり昔のことで、設計図を奪えば解決という設定が現実と離れすぎているかな。おまけに完成品があるのならば、1個奪ったところでたいした意味は無く、企業としてはスタンプを押すようにして量産すればいいだけ。執筆当時の年代(2007年)を考えてみても、無理があるかなあと思ったのですが、よく考えるとこれは児童文学。
警備態勢の甘さとかも、対象とする読者が分かりやすく、ポイントが理解しやすい設定を心がけた親切心なのかもしれません。
どうしても大人の読み方をしてしまう自分に反省です。
ストーリー的には押さえるところは押さえており、冒頭に突飛な設定から入り、そこから世界的大事件に引き込む。
読者をドキドキさせるトラブルを挟んで、3人の交流でひと息つき、そこから決戦に向かう。
3人がそれぞれの特徴を活かして活躍し、大団円で終わる。
主人公の成長という点では不満がありますが、構成は練られていると思います。
福島正実記念SF童話大賞についてですが、主催者である岩崎書店のHPに政治的メッセージが書かれています。
このメッセージに賛否両論あるとは思いますが、その主張に近い作品が有利なのかもしれません。
この作品を読み、そんなことを思いました。
ストーリーをかいつまんで説明すると、主人公の部屋に、過去の自分、未来の自分がやってきて、ロボット兵器開発を阻止するために3人が力を合わせるという話です。
児童文学らしく、全体的に上品なユーモア感が漂っています。
しかし、一読した感想は、〔設定がレトロ〕というのが正直なところ。
ロボット兵器開発を阻止するために、チップの完成品と、設計図を奪うのですが、ドラフトで図面を引いていたのはかなり昔のことで、設計図を奪えば解決という設定が現実と離れすぎているかな。おまけに完成品があるのならば、1個奪ったところでたいした意味は無く、企業としてはスタンプを押すようにして量産すればいいだけ。執筆当時の年代(2007年)を考えてみても、無理があるかなあと思ったのですが、よく考えるとこれは児童文学。
警備態勢の甘さとかも、対象とする読者が分かりやすく、ポイントが理解しやすい設定を心がけた親切心なのかもしれません。
どうしても大人の読み方をしてしまう自分に反省です。
ストーリー的には押さえるところは押さえており、冒頭に突飛な設定から入り、そこから世界的大事件に引き込む。
読者をドキドキさせるトラブルを挟んで、3人の交流でひと息つき、そこから決戦に向かう。
3人がそれぞれの特徴を活かして活躍し、大団円で終わる。
主人公の成長という点では不満がありますが、構成は練られていると思います。
福島正実記念SF童話大賞についてですが、主催者である岩崎書店のHPに政治的メッセージが書かれています。
このメッセージに賛否両論あるとは思いますが、その主張に近い作品が有利なのかもしれません。
この作品を読み、そんなことを思いました。
はじめましてタイムトラベルファンの蔵研人といいます。
本ブログを偶然見つけましたが、さすがの私もこの本は読んだことがありませんでした。早速手配しようと思います。
さて私も最近「タイムトラベル関連の本と映画とマンガ」のブログを立て上げました。暇なときに一度お立ち寄りくだされば嬉しいです。
by ケント (2019-07-09 20:56)
>ケントさん
こちらこそ始めまして。
タイムトラベル専門のブログとは特徴的ですね。
これからもよろしくお願いいたします。
by サイトー (2019-07-12 04:27)