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小説講座の記憶その2(冒頭の書き方) [小説の書き方関係]

その1の続きです。

テキストを読み進めていくと、冒頭をどう書くかがテーマになっている箇所があった。
どうやら「冒頭でどのような作品なのか伝える」のかが大事らしい。

純文学系をターゲットにしたテキストなので、最初に例としてでてきたのは風景描写だ。いかにも純文学が始まりますと思わせる書き出しになっている。
確かに、ぼくが「このひとの文章は上手いなあ」と思う作家は、冒頭に風景描写を持ってくることが多いような気がする。また「物語に関する情報をさり気なく入れる」ということも紹介されています。これも当然ですね。

また、別の手法として「読者に疑問を持たせる」というのが紹介されており、具体例として読者にとって意味不明な言葉を使って違和感を持たせた文章が紹介されていた。
しかし、これはさすがにNGでしょう。読者が疑問を持つ前に、「なんだこりゃ」と投げ出されます。
とっつきにくいSFを読んだときも、こんな感じになります。
一般的でない言葉を羅列するのは、読者に「こんなことも分からないの~」と居丈高になっているようで、貴重な時間を潰して自作を読んでいただいているという感謝の念が欠けているように思います。
「読者に疑問を持たせる」こと自体は重要なんだけども、方向性が間違っていないかと。
言葉ではなくて、内容で疑問……つまり謎を持たせるべきではないかと。

ここからは掌編限定の話。
ぼくが冒頭について意識しているのは、さり気なく舞台や主人公の年齢性別が分かるように描写するだけでなく、その中に物語のキーを入れることです。あくまで描写なんですけど、押し付けがましくない程度に情報を盛り込んでおく。
そのためには、読者に提供する情報を厳選する必要があるんですけどね。この厳選という作業が大事なのかも。
冒頭で上手いなあと思うのが、これ。

http://www.asahi-net.or.jp/~hi3m-tkuc/ss.html

プロになられた方だけに物が違います。
描写が描写で終わっていないところが、とてもいいです。
舞台を表現するだけでなく、物語の主題を提示しています。すらすらと読めて、次の「ただひとつ……」と主題に対する謎をちらつかされると、これはもう、続きがきになって物語に引き込まれざるを得ない。そして、最後もきっちりと主題が回収される。
いやあ、感服です。


こんな調子で書いていって、講座の復習になっているのかな?
ただ、やはり何かで勉強を続けないと、慣れた手法を漫然と繰り返すだけになってしまうので、こうしたテキストを読み返して「風景描写で始まる冒頭の重要性」を再認識しただけでも良かったのかも。

また、時間の有るときに続きを書きます。

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