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第2回リコー杯女流王座戦挑戦者決定戦(里見女流四冠VS本田女流二段) [将棋]

【リコー杯女流王座戦】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/

女流界で最高賞金額である女流王座戦の挑戦者決定戦が行われました。
ここまで勝ち上がってきたのは、いまや19歳にて女流棋界の第一人者である里見女流四冠と、タイトル挑戦未経験の本田女流二段です。
奨励会在籍中の里見女流四冠ですが、奨励会の成績も好調で、最近9戦は7勝2敗です。今後7戦を5勝2敗で切り抜ければ二段に昇段します。達成できればもちろん女性として始めての快挙です。
女流棋戦と奨励会の掛け持ちは大変ですが、ぜひとも頑張って欲しいです。

ということで将棋です。
【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/2/joryu_ouza201209030101.html

先手里見女流四冠は元々振り飛車党でしたが、最近は居飛車も指すようになり、オールラウンドプレイヤーに変貌しました。後手の本田女流二段は居飛車党です。過去の対戦成績は里見女流四冠の6勝0敗と貫禄を見せており、すべて居飛車対振飛車の対抗系です。
され、本局はどのような作戦になるかと注目していましたら、先手の里見女流四冠が飛車先の歩をつき、いきなり居飛車を宣言しました。
それを見た後手番本田女流二段が、一手損角換わりに誘導します。
里見女流四冠は一手損角換わりを指したことがありません。
意外な選択だったと思いますが、素早く相手が未経験の作戦に引き込むところに、本田女流二段の調子の良さが現れていると思います。
里見女流四冠は、この戦形に慣れないためか、序盤から時間を使います。
持ち時間が3時間なのに、昼休み休憩の時点で、里見女流四冠の消費時間が1時間27分に対して、本田女流二段は29分と、1時間も差がついていました。
この時間切迫が、最後まで里見女流四冠の肩にのしかかります。本田女流二段としたら、里見女流四冠を不慣れな形に持ち込んだアドバンテージが効いてきたところです。
形勢は後手やや優勢から、後手が疑問手を出したりして、形勢が揺れ動きます。
ただ、やはり時間の差が大きかったようです。
里見女流四冠も粘りますが、1分将棋で指し続けるのは辛いものがあります。
本田女流二段は、追い上げられたシーンもあったものの、序盤の貯金を守りきり、見事に130手目まで無敵の女王から初勝利を上げることに成功します。作戦選択も含めて、この1番にかけた見事な勝利だと思います。
本田女流二段は初のタイトル戦登場です。
里見女流四冠は五冠王への挑戦があとひとつのところで潰えましたが、女流初の偉業を目指して、全てのタイトル防衛を果たしてまた挑戦して欲しいです。

女流王座戦5番勝負の第1局は、10/20に開催されます!


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