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大和証券杯第6回最強戦(佐藤康王将VS豊島七段)と櫛田陽一六段の引退と [将棋]

まず櫛田六段の引退について。
櫛田六段はNHK杯優勝、朝日杯準優勝など輝かしい実績を持っていますが、わずか47歳で引退に追い込まれました。
勝負の世界とはいえ、厳しいものです。
その櫛田六段の師匠に当たる田丸昇八段がブログでその辺りのことを書いています。
【田丸昇八段公式ブログ と金横歩き】
http://tamarunoboru.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-5f92.html
最終局は研究済みの局面に入ったのですが、研究手を忘れて、4二角ではなく、5一角と引いてしまった。
おそらく絶頂期なら、4二角と引いていたと思います。
この一手で、「引退が確定した現実に対して気持の整理がついた」そうです。
引き際について考えさせられる、エピソードだと思います。


【大和証券杯 第6回最強戦HP】
http://www.daiwashogi.net/

さて、最強戦も佳境に入り、準決勝のもう一組の対戦が行われました。佐藤王将VS豊島七段です。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/daiwa/kifu/6/daiwa201208050101.html

今期11勝1敗と佐藤王将は絶好調です。豊島七段はいまひとつ波に飲みきれないながらも、渡辺竜王を撃破するなど、しぶとく勝ち上がってきました。
この対戦は、とても珍しい事件が起きました。
佐藤王将は居飛車党ですが、珍しく角交換の振り飛車に構えます。そこから、玉を深く囲うことなく、手将棋に持ち込んだ佐藤王将が前半で足早に動いて馬を良位にひきつけて厚みを築きます。
一進一退の攻防が続くなか、なんと佐藤王将がクリックミスをして3九飛車という無意味な手を指します。
一手を争う中盤戦で、完全に一手パスです。ネット棋戦特有のミスです。
そして、その結果、まるっと銀損をしてしまいます。
ところが佐藤王将はめげません。ここが絶好調たる所以なのでしょう。
そこから盛り返して、ガジガジと豊島玉にくらいつき、気がついたら優勢です。
さて、ここからどう決めるかと思ったら、なんと終盤151手目にふたたび7八香という二度目のクリックミス。
打った香車が完全にただの上に、飛車に成りこまれてしまいました。
しかし、豊島七段が佐藤王将のミスに付け込むように攻め合ったのが悪かったらしく、最短距離で寄せきった佐藤王将が171手で勝ちました。
クリックミス2回自体が前代未聞なのに、それで勝ちきる……しかも実力トップクラスの豊島七段相手にやってのけるところが、いやはや、充実振りを物語っているといいますか。
この調子が続けば、まだ先の話ですが、佐藤王将の名人挑戦もあるかもしれません。そう思わせる一局でした。

決勝は少し間が開いて、8月26日に行われます!



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